あらためまして、ご挨拶申し上げます。
当『Hanaことば』サイトを運営する山田朋子(Tomoko Yamada)と申します。
肩書きを問われると、戸惑う私がいます。
というのも…WEBライターを始め、各種原稿の校正や添削、ユーザーが更新できるHP(ホームページ)の制作、ライティング講座、コミュニケーション講座など “ことばに関わる仕事” を行なっているからです。
前職は、医療職。放射線技師として26年とちょっと医療機関で勤務していました。
まったく異なる業界にいた私が、今このような形で働いていること。しかも “ことばに関わる仕事” を行なっていること。それには、いくつかの理由があります。
小学生のころ、ある出来事をキッカケにして吃音(どもり)が始まった私は「人前で話す」ことが大の苦手になりました。
(それまでは、本読みも発表も平気だったのですが)
当時、家庭の電話といえば黒電話。
今のように、個人でスマホを持つことなど想像もできなかった昭和の時代。
友人宅に電話をかけるのも苦手。
名前を名乗ることも、友人の名前を言うことも上手くできず、かなり悩んだ記憶があります。
「話す」ことが苦手だったので、気持ちを伝える手段は自然な流れで「書く」ことへ。
おかげで、日記や作文では感じたことを言葉にできるようになりました。
とはいえ吃音の悩みは、進学しても私についてまわります。
進路を考えるときも、(家の経済状況で)医療職の道へ進む選択肢しかなかった私は「あまり人と話す必要がなさそうな仕事」として放射線技師の道へ。
(実際には、仕事で話す必要は大いにありましたが)
この吃音との二人三脚の人生は、50歳になるくらいまで続きました。
(今でも言葉に詰まるときはありますが、以前ほど苦にならなくなりました)
もう一つの転機は、引きこもり。
50歳前後の数年間、私は引きこもりの状態に。
心身の不調と年齢的な変化が重なったこと、夢と理想を求めてフリーランスで働くことを選んだものの慣れない環境で失敗(と感じる)体験を重ねたこと。人と接することはおろか、社会で働くことすらできない状態でした。
人の声が聞き取れない。
単語は聞き取れてもその意味がわからない。
聞いて動作にうつすことができない。
しかも、自分がそんな状態にあることを言葉で伝えることができない。
その現実から逃避するかのように、自分の殻に閉じこもり引きこもることに。
数年間という時間をかけて、自分と向き合うことになりました。
最初は言葉による自問自答はできず、ただ身体で感じることをボンヤリ受け取る程度でした。
回復の過程で、ゆっくりとゆっくりと自分の言葉を思い出し、また少しずつ言葉を組み立てることも、文章にすることもできるようになったのです。
その時に思ったこと。
『人生は、私に何をするように求めているのだろう?』
『私が今の人生でなすべきことは何だろう?』
『神さまはなぜ、この状態を私に与えてくださったのだろう?』
そして思い出しました。
幼いころ(吃音が始まるよりも前)私の心に深く残った物語を。
シャルル・ペローの「宝石姫」
※「仙女の贈りもの」「仙女たち」とも呼ばれています
美しい心で口にする言葉は、花が咲き宝石があふれる。
邪(よこしま)な心で口にする言葉は、ひきがえるや蛇が飛び出してくる。
それまでの人生で私が言葉にしたものは、いったいどちらが多かったのだろう?
長いあいだ忘れていた物語。
吃音の体験。
言葉を一時的に失った期間。
書くことが好きだったこと。
書くことが楽しかったこと。
本を読むのが好きだったこと。
本を読むのが楽しかったこと。
それまでの出来事が “ことば” という1本の道へとつながった気がしました。
そして、ありがたいことに「言葉」と「書く」ことから仕事が始まり、今に至っています。
引きこもっていたのでオンラインで仕事を始めたところ、世の中もオンラインワークが一般化してきたこともあり「違和感なく」受け入れていただけるようになりました。
ここまで支えてくださった方々(環境も、故郷の自然も、目に見えない存在も)に対して、私ができる恩返しのひとつは「自分の好きで得意なことを生かして働くこと」だと思っています。
私の活動が何かの役に立つことがあればと思い、これまで主にFacebookで発信していたことをこちらのサイトでもお伝えすることにしました。
なお、このサイトに掲載している画像は、商用・著作権フリーのものですが、クリエイターの方々への感謝の気持ちでシェアいただけるとありがたいです。
2023年3月吉日
山田 朋子(Tomoko Yamada)
🌸Hanaことば🌸
書き手も、読み手も、目にした人も、耳にした人も、そして口にした人も…
心に花が咲くような言葉を「ひとつひとつ=하나하나(HanaHana)」綴っていきたいと思います。