啓蟄(けいちつ)・蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
2024年3月5日(旧暦1月25日)~3月9日(旧暦1月29日)の暦
二十四節気(にじゅうしせっき)は啓蟄(けいちつ)
春になり虫が目覚め動き出すころ。
七十二候(しちじゅうにこう)は蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
巣籠っていた虫が外に出るようになる。
「蟄」の字を見ると、条件反射のように連想するのが「蟄居(ちっきょ)」時代劇に出てくる刑罰*です。
*公家(くげ)や武家(ぶけ)に対して行われた
蟄居(ちっきょ)
本来、自宅の一室にこもり謹慎する行為であるが、これに上より命ぜられて蟄居するばあいのほか、みずから自宅に謹慎して罪を待つばあい、さらに心中に不平不満あり、みずから自宅に閉じこもることも蟄居と称した
国史大辞典
なかには永蟄居(えいちっきょ)という「終身にわたり出仕・外出を禁じる」という気の遠くなる罰もあったようです。
面白いのは、幕府の刑法=「公事方御定書(くじかたおさだめがき)」には、”閉門(へいもん)・逼塞(ひっそく)・遠慮(えんりょ)”の規定はあるにもかかわらず、”蟄居(ちっきょ)”の規定がないこと。蜻蛉(かげろう)のように、透けてみえる決まりごとだったのでしょうか。