霜降(そうこう)・霎時施(こさめときどきふる)

2023年10月29日

旧暦9月15日

二十四節気(にじゅうしせっき)は 霜降(そうこう)

*10/24~11/7

七十二候(しちじゅうにこう)は 霎時施(こさめときどきふる)

*10/29~11/2

  

一般的に“こさめ”というと、小雨と書くのではないでしょうか。

(実は、初めて『霎(ショウ/こさめ)』という漢字を知りました)

  

このときの霎(こさめ)は、時雨(しぐれ)のこと。

時雨(しぐれ)

晩秋から初冬にかけて降る雨で、降ったりやんだりするにわか雨をいう

日本大百科全書

さらに

大事なのはその音

ぱらぱらと通り過ぎる時雨の音に耳を止めて、冬の訪れを感じとった

日本の歳時記

と言われるように、単なるにわか雨ではないニュアンスが含まれている言葉です。

視覚だけでなく、耳(聴覚)からも季節の変化を感じとる…

日本人らしい感性ですね。

そういえば、こんな言葉もあります。

時雨は時雨でも、こちらの季節は夏。

蝉時雨(せみしぐれ)

多くの蝉が一斉に鳴きたてる声を時雨の降る音に見立てた語

デジタル大辞泉

   

そして味わう時雨も。

しぐれ煮

語源は諸説あるようで

戦国時代の終わり頃、尾張の国から伊勢の桑名城外に移り住んできた水谷九郎兵衛が起源とされております。

関ヶ原の合戦で徳川方が勝利を得、家康公が大垣城に凱旋した際に、一番に献上されたのがこのハマグリのしぐれ煮で、その後初冬ごとに鈴鹿峠を越えて京都にのぼり、伝送屋敷を経てハマグリを献上するのが、ならわしとなりました。


ハマグリの旬は初冬で、毎年旬のおいしい時期に献上されたので、「神無月、降るみ降らぬみ、定めなき、しぐれぞ冬の、初めなりけり」の古歌にちなんで、「しぐれ煮」と名付けるようになったと伝えられています

しぐれ煮の由来
https://www.kanehatsu.co.jp/column/origin_tsukudani/

芭蕉の高弟である江戸中期の俳人 各務支考(かがみしこう)が名付けたと言われる。
しぐれ煮の語源には、いろいろな風味が口の中を通り過ぎることから、一時的に降る時雨にたとえて「しぐれ煮(時雨蛤)」と名付けられたいう説や、時雨の降る時期が最もハマグリがおいしくなる季節だからといった説がある

語源由来辞典
https://gogen-yurai.jp/shigureni/

など。

  

  

自然から言葉を授かり、その言葉の世界を広げていく。

想像力や連想、ときには洒落っ気も発揮される言葉の世界ですね。

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