やはらかとやわらか
散歩の途中で、さまざまな新芽や新緑に出会います。
触れると瑞々しさを感じる“やわらかい”緑。
「やわらか」
声に出して、あっと思いました。
このみどりは
“やわらか” ではなく “やはらか”
なのだと。
自然に息がもれるようなやさしい“は”の音。
ハッキリと音にする YA-WA-RA-KA ではなく、そっと語りかけるような YA-Ha-RA-KA です。
もしかしたら
古(いにしえ)の人々は、音の違いに現代の私たちより敏感だったのかもしれません。
カサカサと音がするような世界ではなく、しっとりと控えめに伸びをするような空間。
やはらかな緑に包まれた場所は、目にも耳にもやさしいところのよう。
人の心もやはらかにあれたら……
そんな気持ちになる卯月の朝です。