簡単に省略できない“割愛”
※2022年11月7日にFBページ【ことばの庭】で投稿したものを加筆・修正しています
私が言葉を知るときには、2つの機会があります。
1つは、学びの場で正しい言葉として教わるもの。
そして
もう1つは、見聞きした文例や会話から意味を推測するもの。
推測して使っていた語のなかには、辞書で本来の意味を知り、誤用に気づくものも少なくありません。
『割愛』もその1例です。
私は、単に“省略する”の意味で用いていたのですが、ある時、文化庁のコラム『「割愛する」ときの気持ち』を目にしてビックリ!!
そこには、このように書かれていました。
↓
問1 「割愛する」とは,本来どのような意味なのでしょうか。
答 惜しいと思うものを手放す,という意味です。
引用:「言葉のQ&A」
「割愛する」ときの気持ち 文化庁文化部国語課より
割愛する、という言葉の背景に、“惜しい”という気持ちがあると初めて知ったのです。
これまで
表現された方の「本当は、~したかったのですが」「大変、惜しいのですが」という気持ちに、全く気づいていなかった訳です(汗)
そして
私自身は、単に省略するときに割愛するを用いていたのです(大汗)
このとき以来、簡単に“割愛する”が使えなくなりました。
新しい言葉や表現を知るとともに、自分自身の誤用に気づく。
これからも言葉を楽しむ探求の旅は続いていきそうです。