カタイ頭にカタイ球が当たった
※2023年1月27日にFBページ【ことばの庭】で投稿したものを加筆・修正しています
しんしんと降る雪が幾重(いくえ)にも積み重なると重くてカタイ雪の層。
↓
このときのカタイはどの字になるのでしょう?
“かたい”の使い分けを尋ねられ、明確にお答えできなかったので、あらためて調べてみました。
重くてカタイ雪の層
私はちょっと迷いつつ
踏み固める、踏み固められる、のように「固い雪」と書きます。
迷うのは
氷がカタイときは「硬い」と書くことが多いから。
そして
堅き氷は霜を履むより至る
(カタキコオリハシモヲフムヨリイタル)
という故事成語もあるため。
易経を由来とする言葉です。
意味は
霜がおりると、やがて暑い氷が張る頃になる。
禍いは小さいうちに、それに対する備えをしなければならないというたとえ。
広辞苑 第6版より引用
肝心の使い分けについては、こちらが参考になるかもしれません。
手元にある「記者ハンドブック」13版によると
固い
①緩いの対語、結び付きが強い
②融通がきかない
③揺るがない
記者ハンドブック 13版より
堅い
①もろいの対語、中身が詰まっていて強い
②確実
③手がたく堅実
④確実な内容
⑤経済用語
記者ハンドブック 13版より
硬い
①軟の対語、外力に強い
②こわばった様子
③こなれない
記者ハンドブック 13版より
という意味・内容で使い分けているようです。
そして、食べ物は一般に「硬い」
ただし「固ゆで卵」「堅焼き煎餅」などの慣用表記もある。
使い分けに迷う場合は平仮名書き。
記者ハンドブック 13版より
なのだとか。
さて表題は
カタイ頭にカタイ球が当たった
↓
固い頭に硬い球が当たった
という場面を想像したものです。